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小さな村の、たった一つの出入口であるトンネルの前で、 「野々村優人(ののむらゆうと)」は絵を描いていた。 優人は、父親を火災で亡くし、母と姉は行方不明。 村に取り残され、空想の絵を描いて現実逃避をする日々。 ふと顔をあげると目の前に彼女が、 キャンバスの中と同じ、彼女がいた。 彼女は、親に捨てられ、生まれながらの孤独を味わいながら、 自分の生きる意味を探している。 彼女の名は「真澄(ますみ)あい」という。 二人は真逆でありながらも、よく似ていた。 しだいに距離は縮まってゆく。 優人は、後悔を抱きながら。 あいは、嘘を隠しながら。 秘密を抱えたままの二人が繋がり、関わり合おうとしていくたびに その罪はより強いものになり、絆になっていった。 光には影が、あることを忘れたまま。 |