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夕暮れのキャンパス、誰もいない学食、寂しげな校舎の窓辺。 三年前に凍らせたはずのあの歌が。 冷たい風を震わせて、あの歌が聴こえてきた―― 情熱に突き動かされ、純粋な想いを綴った、欺瞞の歌が溶けてゆく。 三人だった冬も今は遠く、一人と一人の季節を繰り返す。 そんな晩秋。 あの時、引きちぎろうとした絆の醜い傷痕が乾くこともなく、 何かが変わる予感と共に始まっていく。 寂しい二つの旋律は、惹きつけ合い傷つけ合いながら、 また新たな旋律を呼び寄せる。 もうすぐ、新しい冬が来る。 あの人といられない、あいつのいない冬が。 ホワイトアルバムなんて知らない。 だって、もう何も歌えない。 届かない恋なんてしない。 だって、もう人を愛せない。 |